腕時計のバンド調整方法
ロックピンタイプのバンド調整
①ベルトの裏側に矢印(→)が刻印されたコマを
取り外す事ができます。
②側面の穴に、先の細いものをあて、→の方向へ
金槌などでたたき出します。
③途中まで抜けると、反対側から手で抜く事が
出来ます。(固い場合はペンチ)
③必要なだけコマを抜いたのちに、反対の手順で
ピンを差込、叩き込みます。
!カシメ(止め具)のついたモデル
一部高級モデルなど、しっかりとつくられたベルトには、
筒状の引っ掛けが穴の中に装着されている場合が
あります。通常通り抜いた際に、ベルトを縦に
向けると細い筒が落ちてきます。こちらを
紛失しないよう十分ご注意ください。
装着時には、ピンセットでつまみ、同様の位置に
セットしてからロックピンを挿入します。
板バネタイプのバンド調整
①ベルトの裏側に矢印(→)が刻印されたコマを
取り外す事ができます。
②ベルトの裏側の突起に先のとがったものをあてて
板バネを押し出します。非常に固いものも多いため、
手で難しい場合は、バンドが動かないようしっかり
固定して、金槌でたたき出します。あまり強く叩きすぎる
とコマが破損しますので、どうしても動かない場合は、
たたく角度を疑ってください。
③板バネの頭が出たら、ペンチで抜き出します。
(目安として突起が完全にベルトの外に出たらペンチで抜く)
④必要なコマを外したあとは、逆の手順で板バネを
はめて、叩き込みます。
ネジタイプのバンド調整
一見するとロックピンタイプと同じに見えますが、
裏面に→がありませんので、側面に穴が
あるところが取り外し可能です。
ネジの形状にあわせて、プラス、
マイナスドライバーで回して外します。
バタフライバックルタイプのベルト調整
レザーベルトを、ステンレスのバックル式のように
着用するモデルの調整法です。バックルを空けて、
レザーベルトを希望の位置まで差し込みます。
バックル部分に出ているピンを、レザーベルトの
穴にあわせて、バックルを閉じます。
バックルによる微調整
複数の腕時計には、コマによる調整のほか、
バックル部分での微調整が可能なものがあります。
バックル横の小さな穴に、バネピンが押し込まれて
いますので、先の細い物で押してやり、
希望の位置にずらしてはめこみます。
!複数のコマを抜く場合
バックル部分をはさんで、両側が外せるように
なっていますので、基本的に左右均等の個数を
抜くようにします。奇数のコマを抜く場合は、
文字盤の上側についている方を多く抜くと
バランスがとれます。ロックピンタイプの場合、
バックルの左右では、→の向きも逆になって
いますので、たたき出す方向にご注意ください。
!腕周りの計測方法
細長くカットした紙に、定規で5mm単位の目盛りを
つけます。(女性約13.5〜17cm、男性約16〜21cm)
この紙を腕周りに沿ってフィットさせます。
希望のサイズの所にセロテープでとめて、
円形の定規をつくります。
(セロテープの粘着力を弱めれば複数回使用できます。)
腕時計を出来る限り一直線になるよう、文字盤と
バックル部分と文字盤部分を近づけます。
先ほどつくった円形定規を中にはめ、いくつコマを
外せばよいかを目測します。
(0.5〜1cm程度余裕を見た状態がよい)
!調整してはいけないコマ
バックル側、文字盤側に最も近い所のうネジが、
その他と異なる場合は取り外してはいけません。
(一部モデルのみにあり)こちらを一旦取り外すと
ネジ山がばかになってしまう場合が多く、
修理が必要となります。
!ロックピンを逆方向に叩いてしまった場合
→の方向とは逆に叩いてしまった場合は、
元に戻す事は困難ですので、そのまま、反対方向に
ペンチで引き出します。固い場合は、バンド部分に
接触しないようペンチをひねります。このように
引き出したピンは、曲がったりゆがんでいますのでは
め込む際に使用する時は、
ペンチで元通りの形に戻します。
!無理な力をかけて、バンドが分解してしまった場合
左右、真ん中部分の3つで構成されているバンドは
修復可能な場合が多いです。万力などで、抜
けたパーツとバンドを並行に保ち、
布をあてて金槌で叩き込みます。
!ネジ式をロックピンと間違えて叩いてしまった場合
このような事のないよう、事前に裏面に→があるかを見て、
どちらのタイプかをしっかり確認します。
万一誤って叩いてしまった場合は、ドライバーを
しっかり押し込み、強い力を真下かけてゆっくり
回してみます。少しでも回らないと感じた場合は、
時計店などへ持ち込みねじ山の修復を依頼してください。